日光市議 阿部かずこ  みつばち通信

市民活動から議員へ。皆様に様々な情報をお届けします。みつばちが花から花へ飛んでいき、受粉し花を咲かせるように、情報が届きそこで花咲くようなことが起こるといいなと思ってます。

子どもたちの命を守る自治体の挑戦

千葉県野田市立小4年の栗原心愛(みあ)さん(10)が自宅浴室で死亡し、傷害容疑で両親の勇一郎容疑者(41)となぎさ容疑者(31)が逮捕された事件。

心愛さん最後は食べ物も与えられず、亡くなってしまったこと、とても悲しいです。繰り返してはなりません。

こういう事件が日光市で起きないのか、そう思ってる方々がいるかも知れません。過去にやはり痛ましい事件がありました。それを教訓に日光市は変わりました。

日光市では、子どもたちの虐待問題に官民協働で対応しています。日光市独自の政策です。日光市だから出来たと言われています。そうではないことをご理解頂き、全国での実施を望んでやみません。そのために詳細に政策立案過程をお伝えすることにしました。

虐待問題の対応で有名な日光市NPO法人だいじょうぶさんが出来た経緯をお話しします。これは行政サイドからの動きで全く語られて来なかったと思います。

だいじょうぶさんは2005年に設立されました。私は当時中間支援団体を設立し市民活動支援センターを運営していました。
そこに市の職員の方から虐待対応出来るNPO設立の相談が入りました。

その中間支援団体は、ボランティア・市民活動の支援・普及を通して、市民一人ひとりが身近な社会的課題を捉えてその緩和と解決に向けた行動を自ら行い、又そうした活動をしている団体を応援するという形での助け合いの輪を広げていき、支え合うコミュニティを創り上げることを目的に2003年に設立しました。

相談は今回の事件と同じで救えなかった事例です。親の虐待から逃れるために警察に駆け込んだ少女。警察が児相に通告。市にも連絡がありました。が児相が親元に返してしまったのです。どうしたらそんな酷いことが出来るのか信じられませんでした。

市に何が出来るのか、児相が出来ないことが出来るのか、こういう事例は限りなくあるに違いない。けれどどうすれば良いのか、苦悩した職員の方の気持ちが痛いほどわかりました。そして救えなかった少女への懺悔と無力感。

センターの依頼として至急虐待対応について調査しました。運命ででしょうか、ちょうどその時、三鷹市が子どもたちの危険な状態に気付き、対応するためネットワークが展開され具体策について書籍になっていました。今から15年も前です。

図書館で見つけました。図書館ありがとう!

合わせて虐待対応の時に親権停止が出来ないことが問題になるとわかり、調査し東京弁護士会の方々が子どもたちの保護の際の親権停止について考えているとわかりました。

虐待対応出来るNPO設立ために、職員の方と畠山さんと当時市議だった平木さんと私で三鷹市東京弁護士会に見学に行きました。

三鷹市では子どもたちの異常を早期発見することと、親の育児負担軽減のため街中に子育て支援センター運営していました。衝撃でした。自治体の政策でこんな事が出来る。行政サービスの地域格差見せつけられました。

三鷹市は虐待、発達傷害など困難事例はほぼ全てが行政が担当。うーん。東京弁護士会の弁護士さんは深刻な事例に弁護士業務だけでは対応出来ず、カリヨンという居場所を考えていると。うーん、そこまでやるんだ。

NPOが主役での虐待対応は全国的に見つからず、かえって県内にありました。見学に行かせて頂きました。そこでは市の支援がなくNPOでの限界を感じました。

様々にみて、官民協働といっても具体的にどうするか、モデルなき手探りが始まりました。職員の方と平木市議と畠山さんと私で煮詰めて行きました。

相談場所は、当時通産省のモデル事業で払い下げられ、電気代が高くて利用用途がなかった介護モデル住宅に。市からNPOで使わないかと相談受けてた物件です。そこに職員の方とNPOが同居して虐待通報を受ける事に決まりました。

だいじょうぶさんの理事に職員の方もなってくれるという今から考えると画期的なスタートでした。中間支援団体設立の時に、すでに職員の方に理事になって頂いていましたので直ぐに了承してくださいました。こういう職員の方がいる、当時は当たり前と思っていました。

相談場所の維持費も市が負担、NPOへの活動へも助成する、これも職員の方の発案でした。なおかつ市長は福祉部長からなった人権派市長。職員の方の予算要求に了承してくれました。
日光市に熱きスーパー職員の方が何人もいました。

議員からの提案より、内部からの提案の方が断然通ります。
議員になった今の方が政策が通らない、皮肉なものです。あら余計な一言でした(・・;)

同時期にファミリーサポートセンター育児支援に欠かせないと職員の方と設置を進めていました。これは当時幼児を抱えて私は仕事との両立で、育児サービスの無さに嫌気がさしていた事がきっかけです。

調べたらファミリーサポートセンターが各地である、日光市にも欲しいと提案していました。そこでも官民協働で別のNPOが設立されました。

日光市NPOで活動してくださる、畠山さんはじめとした素晴らしい女性がいた事も大きかったです。

三鷹市と同様商店街の子育て支援センターかましんさんの協力が得られ、国庫補助の改修費用も職員の方が探しだし、設置となりました。

この3つの子育て事業がこの時期に揃いました。子育て支援課長の尽力でした。行政の方々の力の大きさに驚きました。その後は畠山さんはじめとしたNPOの方々の尽力の賜物で、決め細やかな支援が生まれました。多くの子どもたちを救ってくださいました。

だいじょうぶさんの支援内容は、全国的に取り上げられているので、ググっみてください。それより実際に畠山さんの話を聞かれると良いです。本当にここまで出来るのかという支援をしています。

その影には日光市の虐待対策の費用負担があります。平成29年度予算で家庭児童相談室915万円、児童虐待対策費1851万円。子どもたちの命にはかえられません。

自治体にとって重い負担です。しかし充分な支援ではありません。足りない分をだいじょうぶさんが寄付金を募って補填しています。

こういう費用国は少額しか出してません。1851万円のうち73万円。国は全額持って欲しいです。安倍首相のあらゆる手段を尽くすって、何をしてくれるのか注視しています。

川崎市議の小田さんが保育園の虐待ケース(行政は不適切事案)行政対応が駄目なので、国に法整備求めて働きかけています。素晴らしい行動力。私も日光市の挑戦にとどめて置かず、国政に訴えようかな。子どもたちの命を守るために。

まずは過去からの教訓をまとめました。

あー長文😅
お付き合いくださりありがとうございます。
そういえば中間支援団体設立の経緯も書いてない。読みたいですか?