一番わかりやすい憲法のお話「檻の中のライオン」
5月2日 那須まちづくり広場
「檻の中のライオン」の著者 楾大樹氏(はんどうたいき)
弁護士の楾大樹氏はHANNDOU憲法の話を芸人のように、面白ろおかしく語ってくださり、あっという間の3時間。パペット使って、子どもにもわかるように。
自民党の改憲草案まで見たけれど、改憲の怖さが良くわかりました。
では楾大樹氏の話
憲法が書かれたクリアファイルとパワポ、パペットを使っての楽しめる講演会でした。
第九十七条
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
現憲法では日本国民と表現されている部分に、草案では日本国になっています。
13条 「幸福を追い求める権利」
みんな、それぞれに「自分にとって幸せな時間」を過ごすことができる。私たち国民は幸福の追求権を持ってます。現憲法は「個人」と表現草案は「人」と表現。
心の中は自由 「19条思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」
どんな宗教を信じても自由「20条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する」
どんな学問しても、どこに住んでも、どんな仕事しても自由
誰と結婚しても自由
戦前はこういう自由がなかった、だから憲法にする必要があった。「いいんだよ!自由なんだよ!」と保障してくれてるのです
保障されてるってこと「ありがい」気持ちになりました
みんな 生まれながらに 人権を持ってる
人権って、誰が与えた?
産まれた瞬間、天から与えられたもの
ロックやルソーが唱えた「自然権思想」「天賦人権説」
さっと各都道府県ごとの野球のパペット登場。とちまる君も持ってた。それを使いながら、いろんな思想を自由に持って個性がぶつかり合っていいんだけど、ルールは必要と。
13条前段に 「すべての国民は、個人として尊重される」と書かれてる
大日本帝国憲法では、お国の為なら個人の命や自由が奪われるのも仕方ない時代
現在でも生産性がないとい人が出たり、やまゆり事件など人を役に立つかどうかで判断する。そもそも人を役立つという視点で考えることがいかがなものか。
「国家の為の個人」 「全体主義」の時代
社会をスムーズにしていくには、誰かに「政治」を任せる必要がある
それが、ライオン = 国家権力
ライオンが 暴走しないように・・・ルールが必要
権力が暴走した時代があるのですから
檻の中で 働いてもらうのです
ライオン(政府)に、政治を任せるうえで
・してはいけないこと
・してもいいこと
・しなきゃいけないこと
の約束事 それが「憲法」 = 檻
檻は、国民である私たちを守ってくれる。檻を作るのは国民
憲法を守らなきゃいけない人達って?
公務員ですが、本人さんたちご存じないそうです。
ライオンを契約書で縛る。これが立憲主義。檻の範囲で政治をしてくれれば私たちは安心して暮らせます。
さて、法律は?
国民が守らなきゃいけないルールが「法律」
それを決めてるのは?
国会に集まってくる人たち
その人たちは「国民の私達が選挙で選んでる」
法律を決めるにあたって、守らなきゃいけないのは
やっぱり「憲法」というルールがあってこそ
この数年間の間に、それが守られることなく
採決されてる法律がある
安保法・特定秘密保護法・共謀罪
全国の弁護士会がすべて「これは憲法違反だ!」と言ってるにも関わらず
ここで 疑問、なぜ?憲法違反ができる?なぜ、罰せられない?
集団的自衛権が採決された時、これは憲法違反だと「憲法の番人」と呼ばれる内閣法制局が「これはダメ!」と判断しています。その時の長官は、なんと 最高裁判所判事に異動となり
後任には歴代、法務省や生え抜きが就任してきた内閣法制局の長官というポストに、外交官出身として初めて起用されるという人がフランスから帰国して就任
就任時、集団的自衛権の行使を禁じているとの憲法解釈を積極的に見直す考えを明らかにしたとの記事がありました。
こういう人事が行われています。
子どもたちへ憲法の教育はどのように行われているのでしょう?
教員採用試験の過去問題集の分析をやったことがある。本当にしょうもない問題ばかりで、これじゃあ、憲法が分からないままに社会科の先生になってしまう。
そもそも問題を作成している人が憲法を分かっていないのではないかという感じがする問題が出ています。理解を伴わない、知識を暗記していれば解ける問題で条文の穴埋め問題とかな
小中高の社会科の教科書を全部買いそろえました。小学校の教科書は本当にダメですね。立憲主義のことを全然書いていないし、公務員が憲法を守らないといけないということも書いていません。
人権を守るのはわたしたちだ、と書かれています。表現の自由など自由権全般も説明がありません。権力を縛るという説明がないので、権力を縛ることで自由に生活できる、という説明もできないのです。書かれているのは社会権で、国のおかげで助かっているぞ、という話ばかりです。
中学校と高校の教科書には一応は書いてありますが難しいです。難しいので読んでもあまり頭に残らないだろうなと思いました。
このような事が行われています。戦前は表現の自由がなかった。それを憲法が保障している。政治に関心を持って欲しいです。知る権利を行使していきましょう。
感想
憲法が保障してくれるからこそ、守られてきた人権、自由。
それがなし崩しにされている現状。それがマスコミによって知らされず、危機に瀕している事が、楽しく学べました。
子どもたちに憲法ほとんど教えられていない事実に驚愕でした。なんとかしなければと切に思いました。
先生を囲んだランチ会で、今回の講演会、栃木県では大田原市と那須町で開催。栃木県くまなく行いたいと参加者で盛り上がりました。